行う上で大切なことって?
介護での口腔ケアの基本的な仕事内容は、口内の清潔と健康を保つことです。
外部から細菌が入りやすい場所であり、食べカスが残ったままの状態では細菌が繁殖し虫歯や歯周病の恐れもあります。ケアをきちんとすることで歯周病や虫歯の予防になるのです。
また、頬や舌・唇といった口周りを鍛えるマッサージやリハビリを行うことで、健康な状態の保持や促進ができます。こうすることで誤嚥性肺炎の予防や、味覚の改善にもつながります。
口内の健康が保たれると、口臭も気にならなくなります。周りと積極的にコミュニケーションを取れるようになり、明るくなる人もいます。
また食事も楽しんで食べることができるようになるため、生活全体にハリが出て質の向上にもつなげることができるのもメリットです。
介護の口腔ケアは介護士がすべて行うのではなく、高齢者自身に「できることは本人に行ってもらう」ことが基本です。
高齢になると若いころと同じように体を動かすことが難しくなります。しかし、だからといって介護士がすべて行ってしまうと高齢者はさらに体を動かすことがなくなってしまいます。そのためできるだけ本人に行ってもらう必要があるのです。
ケアをするときは、安全な姿勢になるように配慮することも忘れてはいけません。
歯磨きをしているときは通常よりも、唾液の分泌が活発になります。あごが上がった状態で行ってしまうと、唾液が気管支のほうに流れ込み誤嚥性肺炎につながる可能性もあります。姿勢に気を付け、できるだけ短時間で済ませることも大切です。